文脈を共有することの目的と工夫
2024.09.12こんにちわ。組織開発 がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
仕事において、連携が必要な関係者とやりとりする上で、文脈の共有が必要になることがあります。この記事では、文脈の共有に関して、その目的と伝え方の工夫についてまとめます。
文脈の共有とは？
文脈の共有 ( Context Sharing )とは、特定の話題や状況に関連する背景情報や前提条件を他者と共有することを指します。これにより、コミュニケーションがスムーズになり、誤解や情報の抜け漏れを防ぐことができます。特に複雑なプロジェクトや複数の関係者が関与する状況で、共通の理解を持つことが重要です。
「Whyを伝えること」の重要性が語られることがありますが、これも文脈の共有の一例です。
文脈の共有の目的
文脈の共有には以下のような目的があります。
- 共通理解の確立
- 意思決定のサポート
- 透明性の向上
1. 共通理解の確立
関係者が同じ背景や情報を持つことで、認識の違いや解釈のズレを減らすことができます。
2. 意思決定のサポート
共有された背景や情報をもとに、より質の高い意思決定がしやすくなります。
3. 透明性の向上
情報の透明性を高め、関係者が同じ情報にもとづいて行動しやすくなります。
文脈を共有する際の工夫
文脈を共有することは大切ですが、何でもかんでも際限なく共有すればいいというわけでもありません。文脈を効果的に共有するには、以下のような工夫があります。
- 目標と目的を明確にする
- 受け手に合わせた情報を提供する
- 具体的で明確な情報を提供する
- 理解の確認をする
- 段階的に情報を提供する
- ビジュアルツールやドキュメントを活用する
- 適切な頻度で情報を更新し、共有する
1. 目標と目的を明確にする
文脈を共有する前に、共有する背景情報の目的や意図を明確にすることが重要です。これにより、相手がどのような情報を期待すべきかを理解しやすくなります。
例えば、プロジェクトを進める際には、「今からプロジェクトの全体像を理解してもらうための前提を説明します」と前置きしてから詳細を伝えます。
2. 受け手に合わせた情報を提供する
受け手の知識レベルや役割に応じて、必要な情報の詳細や量を調整します。過不足なく、相手にとって重要な情報だけを提供するようにしましょう。
例えば、技術者と非技術者では、同じプロジェクトについても異なる情報が必要です。技術者には技術的な詳細を、非技術者には概要を説明するなど、適切に情報をカスタマイズします。
3. 具体的で明確な情報を提供する
曖昧な表現や推測的な言い方は避け、明確かつ具体的な事実に基づいて情報を提供します。これにより、誤解や混乱を避けられます。
例えば、「納期が遅れるかもしれません」ではなく、「リソースが不足しているため、納期が1週間遅れる可能性があります」というように具体的な理由と状況を伝える。
4. 理解の確認をする
情報を共有した後、相手がその情報を正確に理解しているかを確認します。相手に質問を促し、必要に応じて追加の説明を提供します。
例えば、「この内容で何か質問や不明点はありますか？」と聞き、相手が理解したかどうかを確認します。
5. 段階的に情報を提供する
一度に大量の情報を提供せず、必要なタイミングで段階的に情報を共有します。これにより、相手が理解しやすくなり、重要なポイントが埋もれません。
例えば、プロジェクトの初期段階では全体像を説明し、進捗に応じて詳細な情報を追加で提供します。
6. ビジュアルツールやドキュメントを活用する
複雑な情報を共有する際には、図や表などを使って視覚的に整理すると理解が促進されます。また、文書化して後で参照できるようにすることも有効です。
例えば、プロジェクトの進捗や課題を共有する際に、ガントチャートやフローチャートを用います。
7. 適切な頻度で情報を更新し、共有する
一度文脈を共有した後も、状況の変化に応じて新しい情報をタイムリーに提供することで、常に正確な情報を共有できます。
例えば、プロジェクトの状況が変わった場合、その都度チームに進捗状況や変更点を伝える。
まとめ
文脈の共有に関して、その目的と伝え方の工夫についてまとめました。
多くの情報を持っているマネージャー、リーダーが関係者への文脈の共有をすることは重要です。一方で、文脈の共有について気にかけていない場合、自分自身はその情報を知っていることもあり、他の人にも共有する必要があった情報を見逃しがちです。相手とやりとりする際に自分は知っているが相手は知らない情報があること、それらの情報のうち、どの情報は提供したほうが良いか、逆に、あえて提供を控えたほうがいい情報があるか、などについて考える習慣をつけていく必要があるでしょう。
